正式版 MG研修|

アメーバ経営を中小企業で活用するときの適正人数は?MG研修担当者として、考察してみた。

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12月 2019

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こんにちは、MG事務局のマンサクです。
 
MG研修の体験会には、いろいろな業種・職種・役職の方が参加されます。
 
その中でもメインになるのは、経営者育成研修という特性上、社長さんや役員といった経営層の方々。さらに、その中でも最近多くいらっしゃるのが、アメーバ経営を導入・検討されている会社です。
 
そんなアメーバ経営に興味のある方と話していると、「アメーバ経営もMG研修も、中小企業こそ実践したほうがいいですよね」と盛り上がります。
 
京セラや日本航空など、大企業の活用イメージの強いアメーバ経営ですが、決してそんなことはないと感じます。経営者育成のMG研修を担当している立場として、アメーバ経営について考察してみました(^^)
 
 

アメーバ経営とは?

 
この記事を読んでいるおそらくほとんどの方が、アメーバ経営について概要をご存知と思いますが、念の為「アメーバ経営とはなんぞや?」という点から簡単に説明していきたいと思います。
 
アメーバ経営は、京セラ創業者の稲盛和夫さんが提唱する経営手法です。組織をアメーバと呼ばれる仮想の小さな集団に分けて、それぞれで独立採算を追求する仕組みが特徴です。一般的な会社のツリー状の会社組織ではなく、それぞれのアメーバが独立して存在して機能するというイメージです。
 

(出典:マンガでわかる 稲盛和夫のアメーバ経営P29
 
 
アメーバ経営には大きな3つの目的・特徴があります。

  • 1.市場に直結した部門別採算制度の確立
  • 2.経営者意識を持つ人材の育成
  • 3.全員参加経営の実現

  
 
では、それぞれについてざっくりといたポイントを解説します。
 
1.市場に直結した部門別採算制度の確立
独立採算の小さな集団にわけ、基本的な経営の意思決定もそれぞれのアメーバで行うようにします。意思決定の集団が小さいため、小回りが利き、スピード感のある対応を可能にしてくれます。
 
2.経営者意識を持つ人材の育成
アメーバごとに独立採算の管理をすることで、計画の策定や労務管理など経営に関わる業務全般を行うことになります。その結果、単に売上や経費という概念にとどまらず、全体を俯瞰する経営者としての自覚が芽生えます。
 
3.全員参加経営の実現
それぞれのアメーバごとの経営に関わる数字をすべてオープンにすることで、アメーバのリーダーだけでなく、全員が当事者意識を持って経営に参加するという姿勢を持つことができます。
 
 
と、まあ、このあたりは、ネットで調べてもすぐにわかる内容です(^_^;
 
「アメーバ経営とは?」というキーワードでネットで軽く調べると、必ずこの3つのポイントは紹介されています。で、3つのポイントと同時にかなりの割合で紹介されているのが、日本航空でアメーバ経営を導入して復活させた事例です。もともとビジネスパーソンには有名だったアメーバ経営という言葉を、一般社会にまで広めた大きな事例だったと思います。
 
 

アメーバ経営を一躍有名にした日本航空(JAL)の再建

 
2010年1月に経営破綻した日本航空(JAL)の再建を託された稲盛さんが、アメーバ経営を導入し見事にV字回復を成功させたときには、大きなニュースになりました。
 
それまでの日本航空では、営業、運航、整備などの部署に分かれていて、それぞれの採算性は把握しておらず、ずさんな管理体制だったようです。経営破綻した日本航空と関連2社の負債総額は合計で約2.3兆円、金融を除く企業としては最大の経営破綻。この数字だけを見ても、管理体制が機能しておらず、ひどい状況だったことは容易に想像できます。
 
この状態からわずか2年半後、稲盛さんの手腕&アメーバ経営によって2012年9月には東京証券取引所に再上場するほど回復させたのですから、もう見事というしかありません。
 

(出典:DIAMOND ONLINE【企業特集】日本航空(上)破綻2年で営業利益2000億円JAL式アメーバ経営の真髄
 
この日本航空(JAL)再建のインパクトが強すぎたせいなのか・・・アメーバ経営は大企業向き?という風潮が出てきたのも、この頃かなと感じます。これは私としては、何とも意外な印象でした。というのは、日本航空(JAL)の事例が登場する以前、アメーバ経営は中小・中堅・ベンチャー企業にこそ向いているし、導入しやすいと言われていたからです。
 
 
なぜアメーバ経営は、中小・中堅・ベンチャー企業のほうが向いている、と言われていたのか?
 
まあ、これはシンプルに考えれば想像できるかと思います。組織が小さいほうが、導入・改革しやすいからですね。上記で紹介したアメーバ経営3つの目的を実現するためには、全社員の意識改革と組織変更、そして人事制度、会計制度を整える必要があります。
 
これは、なかなか大きな変更ですから、すでに大きな組織が出来上がっている大企業のほうが大変です。一方、まだ社員数もそれほど多くない中小・中堅・ベンチャー企業なら、全社的な意識改革も組織改革も実施しやすいのが道理です。
 
 

社員数が何人になったら、検討すべき?

 
理論的にはアメーバ経営を導入しやすいはずの中小企業。とは言え、社員数が少ないと意味がないのでは?って思いますよね。社員数が少ないなら面倒な管理手法を導入しなくても、社長の目が行き届いてマネジメントできるケースも多いと思います。
 
しかし、そこから企業が成長し社員も増えて組織が拡大していくなら、どこかでアメーバ経営などの経営手法を取り入れるタイミングがあるはず。それは、社員数が何人からなのか?会社の規模がどのくらいになったら導入するのが適正なのか?
 
世の中の社長さんによって、様々な意見が分かれるところだと思いますが、私は1つの基準として15~20名前後で検討すると良いのではないかと思っています。
 
 
稲盛さんに匹敵する日本を代表する経営者の一人、ソフトバンクの孫正義社長。その孫さんが、実は30年ほど前に、アメーバ経営と非常によく似た経営手法を取り入れていて話題になっていたのをご存知でしょうか?
  
その経営手法の根幹を担う1つの施策が、10人1組のチーム制で各チームに独立採算制を取り入れたというものでした。チームリーダーの権限を強化し、人材採用、研究開発、設備投資、マーケティング&セールスなどを任せ、「ミニ社長」として機能させたそうです。同時に、日時決算を実現し、チームごとの社員1人あたり売上、経常利益などを「見える化」したとのことです。
 
おそろしいほど、アメーバ経営と似た発想ですよね。やはり優れた経営者は、考え方も似ているのでしょうか?
 
この他にもいくつかの施策を取り入れていた当時のソフトバンクの経営手法については、こちらの記事に詳しく書いてありますのでご参考ください。

 
 
ということで、ソフトバンクさんの事例を見るに、社員数が15~20名くらいになっていれば、7~10名程度の小さいアメーバ(チーム)に分けて、各チームの独立採算制を採用するメリットもあるのではないでしょうか。
 
社長一人でマネジメントできる人数は15~20名が上限、という説もあります。実際、それ以上の人数になってくると、マネジメントをできる人材を社長の下においている会社が多いはずです。であれば、社員数15~20名になったタイミングからアメーバ経営などを導入するというのもありかな、と思います。
 
 

まとめ

 
日本航空(JAL)再建で一躍有名になったアメーバ経営(その前から十分有名でしたが・・・)は、中小・中堅・ベンチャー企業でも大いに活用できる経営手法だと思います。むしろ、かつてのソフトバンクさんがそうであったように、組織が小さいうちにこうした経営手法を取り入れて企業文化を育成するほうが効率的だと感じます。
 
ぜひ、中小・中堅・ベンチャー企業の皆さんも検討しみてはいかがでしょうか。
 
ちなみに、ソフトバンクさんの「ミニ社長」や「日時決算」というのは、おそらく本サイトで紹介している経営者育成研修・MG研修の影響も少なからずあると思います。こちらの記事でも紹介されているように、MG研修はソフトバンクさんの社内研修としても採用されていて、孫さんが創業時から実践しているそうですから。
 
MG研修は、アメーバ経営の3つのポイントにある「経営者意識を持つ人材の育成」にあたって、もっともリスクなく最大限の効果を得られる研修だと自負しています。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

 
 

アメーバ経営やMG研修についてご興味持たれた方はぜひお問い合わせください。
御社での導入に関してご相談に乗ることが出来ればと思います。

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